採用情報 社員インタビュー STAFF INTERVIEW

若手社員×上司 技術者対談
技術士取得を会社でサポート。
若手技術者の挑戦と成長。

技術者の仕事は、ひとつの業務をまかされるまでに入社から10年程度かかります。
そのため当社では長期的な視点で技術者の成長を考えています。
技術士資格を取得した若手社員と、その取得をサポートした上司に、技術者としての挑戦と成長について聞きました。

H.D

本社 技術1部 技術第2グループ
2015年(新卒入社)
鳥取大学 農学部 生物資源環境学科卒

技術士:農業部門|農業農村工学

大学在学中に農業ボランティアなどを通じて農村の魅力に触れ、農村の継承に貢献できる仕事がしたいと思い入社。1年目より技術第一部に配属。老朽化した農業水利施設の機能診断や整備計画の検討など、計画系の業務に従事。入社8年目に技術士(農業部門|農業農村工学)を取得。

T.S

本社 技術1部長
2012年(キャリア入社)
京都大学 農学部 畜産学科卒

技術士:農業部門|農業土木
建設部門|鋼構造及びコンクリート

前職では、実施設計で多くの工種を経験。技術士(農業部門|農業農村工学)を取得。2012年にキャリア入社し、計画系に配属。技術士の2部門目(建設部門|鋼構造及びコンクリート)を取得。グループ長、副部長を経て、現在は技術第1部長に就任。

sction01

技術者の専門性について教えてください。

T.S

どのような技術者になりたいか、将来像のイメージを。

現状に満足せず、さらに良い提案を発注者に提供できるよう、日々努力することが技術者としての使命だと考えています。専門性の高い業務を効率良く遂行するために、互いに切磋琢磨しながら技術を磨いています。技術は常に進歩しているので、アップデートしなければ陳腐化してしまいます。そのため、新しい専門知識を習得することは日常的に行っています。
また、専門性の高い技術者を育成するために、若手社員を育てることも上司としての重要な任務の一つです。
どのような技術者になりたいか目標はありますか?

H.D

目指すのは、発注者や同僚に信頼してもらえる誠実な技術者。

インターンシップで訪れた沖縄県石垣島の灌漑事業で、田畑に水を行き渡らせる仕事を体験し、「地域の未来を支えるために農業に関わる仕事に就きたい」と思い、建設コンサルタントの技術者を目指しました。私は日本の農村が好きなので、農業・農村に関わりながら地域の未来に貢献できることにやりがいを感じています。まだまだ分からないことが多く、試行錯誤の毎日です。自分のスキル不足に落ち込むこともよくあります。

T.S

挑戦できる環境づくりでバックアップ。

例えば、若い技術者には、一歩上のステージに立つために技術士資格に挑戦し、スキルアップしてほしいと願っています。技術士の資格は一般には認知度が高くはないですが、口頭試験もある難関の国家資格であり、一級建築士と同等に位置づけられています。建設コンサルタント業界では業務を受注する上で必須の資格となるため、会社としても技術士の資格取得に向けて全面的にサポートを行っています。
技術士に挑戦しようと思ったきっかけは何ですか?

H.D

先輩からのアドバイスがきっかけとなり、挑戦を決意。

入社当初から「いつかは技術士を取得したい」と考えていましたが、もっと経験を積んでからでないと取得は難しいと思っていました。社内でのグループ異動のあと、「実務であまり役立てていない…」と悩んでいた時期に、ある先輩に相談しました。そのとき、先輩から「私も同じ経験があったよ。自信をつけるためにも、資格取得に挑戦してみたら?」とアドバイスをいただき、それがきっかけで技術士に挑戦することに決めました。会社から試験対策の全面的なサポートを受け、入社7年目に2回目の挑戦で技術士(農業部門)を取得しました。

sction02

技術士の受験対策について教えてください。

H.D

会社から全面的なサポートのおかげ。

筆記試験対策として、試験問題の傾向や解答方法を教えてくれる講習会を開催してもらいました。また、上司に模擬試験の解答を添削していただきました。これにより、勉強の方向性を明確にでき、効率的に勉強できたと思います。
また、苦手だった面接対策としては週に2回模擬面接を行ってもらいました。手厚いサポートのおかげで安心して試験に挑むことができ、本当に感謝しています。2年間の努力が報われました。

T.S

試験対策のポイントを伝えながら、指導方法も試行錯誤を続ける。

技術士の筆記試験は、出題の意図を理解し、時間内に記述で回答する形式です。これは業務で顧客の要求や仕様書に応じて設計計画をまとめるプロセスと同様です。そのため、筆記試験を業務プロジェクトの縮小版として捉えるようアドバイスしています。
過去問の出題傾向を分析することが、効果的な対策の一つです。模擬試験での解答添削も重要ですが、素早く解答のロジックを組み立てる訓練も目指しています。これは教える側にも難しい課題で、指導方法を試行錯誤しながら続けています。
筆記試験の最大のハードルは、朝から夕方までひたすら手書きで回答を記入することです。試験開始と同時に解答用紙に書き始める人は、大抵落ちるため、解答構成を考えてから書き始めるよう計画的に記入することを指導しています。
仕事をしながら毎日時間をやりくりして勉強していたことがよく分かります。受験勉強は大変でしたか?

H.D

上司や先輩に相談できる環境や風土。

受験前は一日平均1~2時間程度、解答案の作成、添削、修正のサイクルを繰り返しました。先輩から「受験対策時間の目標は100時間」と聞いていたので、勉強時間や内容を記録できるアプリを活用し、たとえ10分でも記録することで達成感を得てモチベーションを保ちました。
技術士の資格取得を目指す社員が自主的に集まり勉強することもありました。また、家族にも勉強時間を確保するために家事を分担してもらうなど、仕事とプライベートを両立しながらの受験対策を乗り越えられました。
独学での勉強には限界があると感じていたので、上司や先輩に相談できる環境があって良かったと思います。

T.S

会社全体で、若手技術者が成長するための機会をバックアップ。

難関の筆記試験をクリアした後の最終関門は、東京で行われる面接試験です。何度も模擬面接を繰り返して慣れておく必要があるので、不安がなくなるまで模擬面接を繰り返します。
また、社内にはさまざまな分野の先輩技術者がいるので、幅広い視点からアドバイスをしてもらいます。
建設コンサルタントが請け負う業務はチーム全体での知識・経験を活用することが重要となっています。お互いを尊重し協力し合えるチームづくりのためにも、若手の技術向上に会社全体でバックアップをしています。

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技術士を取得してよかったと思うことを教えてください。

T.S

技術士資格の取得は、ゴールではなくスタート。

これからも業務で担当者として経歴を積み上げながら、簡易な業務の管理技術者をこなし、大舞台に抜擢される日を待っていてください。
私たちの業務を車に例えると、技術士資格は運転免許証のようなものです。国営の大規模な業務を統括する管理技術者や照査技術者にとっては必須の資格です。
技術士を取得して、何か変化はありましたか?

H.D

長期的な目線で、目の前の課題解決に最善を。

大学合格以来の達成感を感じ、少し自信を持って働けるようになりました。小さい業務を一人で任される機会も増えてきました。
ただ、受験の動機として自分の状況を変えたいと思っていたのですが、実際に取得してみて、急に能力が向上することはありませんでした。これまで通り、目の前の仕事にコツコツと取り組み、最善を尽くすことが大切だと考えるようになりました。また、技術革新は日々進んでいるため、常に新しい知識と技術の習得に努めることも必要だと感じています。

T.S

技術士の資格に挑戦したことで、仕事への取り組み姿勢も成長。

技術士を取得したからといって、すぐに大規模なプロジェクトの管理技術者に任命されるわけではありません。技術提案書には経験値が基礎点として加算されるため、経験の少ない若手技術士には挑戦が難しい部分もあります。しかし、安心してください。私たちは常に新しい技術士がデビューするチャンスを探っています。技術士の資格に挑戦したことで、さまざまな知識が身に付き、仕事への取り組み姿勢にも成長が見られました。

H.D

技術士への挑戦は、技術者として成長できる機会。

資格を取得する過程で、さまざまな知識に触れることで、発注者から質の高い成果が求められていることを意識するようになりました。技術者に求められる資質への理解が深まり、仕事への取り組み姿勢が変わり、業務から学ぶことが多くなりました。今後も経験を積み重ね、地域の未来に関わる大規模なプロジェクトに参加することが目標です。

sction04

技術者として今後どのようなキャリアを歩みたいですか。

H.D

責任ある仕事で、地域の未来を支えたい。

入社7年目に、小規模な地区ですが初めて業務全体の管理を担当しました。業務工程の管理や関係者とのやり取りなど、調整役を務めることには大きな緊張感が伴いました。知識や経験だけでなく、大規模プロジェクトには社内外の多くの人が関わるため、周囲の意見を取り入れながら、柔軟な考え方でより良い道を探っていくことが重要だと感じています。将来的には、大規模な業務の管理もできるようになりたいです。

T.S

他分野から問題解決のヒントに。

まずは自分の得意分野を見つけ、それを徹底的に極めてください。
技術士の資格にあぐらをかくことなく、自分の得意分野は最先端の技術を吸収するなど、常に向上心を持ち続けることが大切です。また、専門外の分野にも興味を持つことが重要で、問題解決のヒントは他分野から得ることが多々あります。建設コンサルタントの仕事は10以上ある多岐にわたる分野について幅広く理解し、必要最低限の知識を広げていくことも重要です。2部門目の技術士資格に挑戦してみるのも良いかもしれません。私もサンスイコンサルタントに転職後、新たに「鋼構造及びコンクリート」の技術士資格を取得しました。

H.D

自分の得意分野を見つけるために、経験を積みたい。

プロフェッショナルになれるように、まずは自分の得意分野を見つけ、この分野なら任せてもらえる専門性の高い技術者を目指します。そのためにも、構造計算や数量計算にもチャレンジしたいと考えています。また、報告書を作成し、監理技術者として責任を全うできるように、目の前の仕事を着実に丁寧に進めたいと思っています。次世代に農村環境を継承し、持続可能な農村基盤の整備に貢献していきたいです。

T.S

技術者一人一人の高度な技術力は会社の資産。

「サンスイの〇〇さんにぜひこの仕事をお願いしたい」と顧客からリクエストされるようになれば、一人前の技術者です。プロジェクトはチームで成果を出すため、さまざまな分野の技術者が連携して取り組むことも重要です。また、長い時間をかけて培った技術力を次世代に引き継ぐために、若手技術者の人材育成も私たち技術者の大切な仕事だと考えています。後輩への技術指導ができるよう、期待しています。