事業領域 BUSINESS FIELD

農業農村整備計画

北海道から沖縄まで、全国各地で大規模な計画立案業務を手がけています。

土地改良における計画立案業務では、数千から数万ヘクタールにわたる広大な農地を対象に、農地整備や水利施設の整備計画を行います。技術要素として、用排水解析、営農計画、経済効果算出などが挙げられます。これらの要素を組み合わせ、営農、気候、地形などの地域特性に合わせた最適な提案を行うことで、コンサルタントとしての総合力が求められます。

私たちは、全国の業務実績から得られた知識と経験を集約し、各業務分野ごとに専門化されたチーム間の連携を密に行う体制を整えています。これにより、質の高い成果を提供しています。

主な事業実績

圃場整備

圃場整備とは小規模の農地を集約・整備して用排水や農道の整備と併せて生産性の向上を図り、農村の環境条件を整備する業務です。
圃場整備にあたっては、営農計画、排水性、防災、経済性等を総合的に検討したうえで農業機械の作業効率が最大限発揮できる区画となるように設計することや、暗渠排水の導入による排水能力の向上など、総合的な技術力が求められます。
当社では北海道での大規模な区画整備事業を始め、各地での圃場整備業務で多くの実績をあげています。

宮古伊良部地区かんがい排水事業計画

事業の背景

「地下ダムの美ぎみずを宮古伊良部のすみずみまで」。かつて宮古島地区は水源を主に地下水に頼っていたため、恒常的な干ばつに苦しめられてきましたが、国営事業による地下ダム等の整備により安定した農業用水の供給の礎ができました。さらに宮古島、来間島及び伊良部島地区全体を対象として、通年かんがいに必要な水量を確保して農業生産性を向上させるため、国営かんがい排水事業「宮古伊良部地区」がスタートしました。

当社の役割

当社は、宮古島の追加水源として2箇所の地下ダムを追加造成し、宮古島の不足水を確保するとともに、伊良部大橋に農業用パイプライン、水道パイプを添架し、宮古島の水を伊良部島に供給するなど、全体事業計画の立案を行いました。
また、導水路や吐水槽、貯水池などの主要構造物の設計も担当しました。現在では伊良部大橋(H27開通)のパイプラインを通して農業用水の供給が開始されています。

国営かんがい排水事業 湖東平野地区

事業の背景

琵琶湖の南東部に位置する湖東平野地区では、国営事業により造成された施設が老朽化し、漏水などによる維持管理費用の増大や、営農形態の変化により用水不足が進行していました。国営かんがい排水事業「湖東平野地区」は、老朽化した幹線用水路等の施設改修とあわせ、水源施設の整備を行い、用水の安定供給と維持管理の軽減を図るためにスタートしました。

当社の役割

当社は事業全体計画の立案・取りまとめを担当しましたが、特に用水計画は重要な要素となりました。
用水不足を解消するためには新たに水源を求める必要がありましたが、新規にダムの開発ができない中、当社は6,877hの事業地区を対象に水収支計算モデルを作成し、新規に調整池を追加するなどの用水計画を立案しました。
検討にあたっては、用水の反復利用や地下水の活用(ポンプアップ)など複雑な要素が多々ありましたが、緻密な現地調査を行いモデルに組み込むことで、地域全体の用水需要を満足する計画を立案しました。また、永源寺ダムからの自然流下による配水を基本とし、維持管理労力の低減にも寄与しています。

国営かんがい排水事業 八郎潟地区

事業の背景

八郎潟地区は、秋田県に位置する広大な干拓地です。1957年から1966年にかけて干拓事業が行われ、八郎潟を干拓して広大な農地として整備され、大型機械による効率的な営農を行ってきました。しかし、整備後50年が経過し、コンクリート構造物の欠損や沈下、湛水被害や水質悪化などの課題が発生しています。

当社の役割

当社はこの世紀の大事業の後継として、国営かんがい排水事業「八郎潟地区」の全体実施設計のとりまとめを行いました。主要工事である用水路施設の将来沈下対策等について詳細な検討を行い、大規模優良農業地域として維持存続していくために、用水路施設の大半は管路化し、需要主導型の水管理システムと水管理の省力化、余剰水削減による水質環境保全への貢献を計画しました。また、分水工自動制御など、ICT技術の導入検証も行い、最先端の技術を活用した効率的な営農の実現に取り組んでいます。